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BIOTOP PEOPLE

No.5 KYOKO ONO

スタンダードだけどちょっとニュアンスがあって、おしゃれに見えて着心地もいい。
そんな女性たちの心の声を形にしたのが、大野京子さんがデザインするpelleqの服。
ライフスタイルから生まれたというナチュラル・エレガンスの真髄に迫りました。

〈ペレック〉を始めてどのくらいになりますか?

下の子供が小学校に上がるのをきっかけに始めて、いま3年生になりました。

ご自分のライフスタイルから自然に生まれた、と聞きましたが。

子供が小さいとあまりおしゃれする余裕がないんですが、でもファッションは好きだし自分の人生にとって大事なツール。がんばり過ぎず、でも普通過ぎず、着心地がよくてハッピーになれるような服があったらいいな、と思い、作り始めました。女の人って、さりげないエッセンスで気分が上がりますよね。

ですよねー。服作りはお一人でやっていらっしゃるんですか?

はい、自分の目が行き届く範囲でやりたいので、自分で工場へ行ってお話させていただき、なるべく国内生産で作っています。ライフスタイルが変わってデザインに変化が訪れることがあっても、ていねいに作るという基本の姿勢は崩したくないですね。

そのときの気分が服に表れますか?

そうですね。そのとき見て感動したものやハマっているものにやはり影響されますね。青にハマれば青ばっかり追及してしまう。(笑)でも、着心地がいいこと、ていねいに作ること、デイリーウェアであること、というベースは守りつつ。

クラシックなシャツワンピースだが、バックには深いスリットが入っていて、動くたびにふわりと裾が舞う。クラシックシャツ¥28,000(pelleq)

3シーズン拝見したなかで、14年の春夏は、京子さんのいまの気分がすごく強く出ているという気がしました。リラックスなムードはそのままなんですけど、リラックスという意味がすごく広がったような…

それはすごく私のライフスタイルが反映されている気がするんです。以前は、たとえばクラシックなシャツワンピースなら、下にレギンスを穿いてビルケンシュトックやコンバースをあわせていたけれど、いまは子供が大きくなったので外出ができるようになった。だからハイヒールをあわせたら…という考え方ができるようになったんです。

クラシックなシャツも、背中に大きくスリットが入っていて動くとさりげなくセクシーだし、シンプルな白のブラウスも袖にスリットが入り腕がちらりと見える。裾のサイドのところが少しカットされていて、お腹がのぞいたり。デイリーウェアなんだけどちょっとした色っぽさがあって、前回に比べてデザインの幅が広がっている気がします。これからシーズンごとにいろいろな変化・進化があると思うとすごく楽しみ。

変化していく部分と、変化させない軸の部分と…そのバランスが大事だなと思っています。

〈ペレック〉はやはり京子さんらしさが出ているところがいいなあと思うんですよ。

私ね、きれいなニットにきれいなパンツをあわせたりする、コンサバなスタイルが似合わないんですよ。ちょっとオーバーサイズだったり、ちょっと衿の開きが広かったり、いい意味でだらしないというか崩してあるほうが見え方がいいみたいなんですね。で、そういう服って最初は難しく感じても、慣れると気に入ってくださる方が多い。特にBIOTOPにいらっしゃる方は着こなし上手だから、そこをわかってくださるんです。

秋冬は作り始めていますか?こんどはどんな変化があるんですか?

いままでニットはワンサイズだったのですが、2サイズ作ろうと思っています。ただ自分のサイズにあわせるというよりも、背の高い人が小さめを着てもいいし、今日は大きめサイズ、きょうは小さめサイズ、なんてその日の気分で変えたりして、それによってボトムのサイズ感を変えたりしても楽しい。それぞれの着方でそのときの気分を味わってほしいと思っているんです。体数は少なくてもサイズを変えれば違う着方ができるのではないかと。

すごく素敵な考え方!デイリーウェアとかスタンダードアイテムって、サイズ感が違えば見え方がまったく変わりますからね。やはりニットがベースなんですか?

はい、自分がニット好きなので。ディテールもかなりこだわっています。ニットは編み方や始末で表情ががらりと変わる。見た目じゃわからなくても、見えないところまで大事に仕上げたい。

まさに「第2の肌」といえる心地良い感触は、いちど着たらやみつきに。衿の開き具合などがフェミニン。ワークタンク(黒)¥6,300 スリーブレスT(オレンジ)¥7,350(共にpelleq)

見た目でわからなくても着ればわかりますよね。裏のパイピングの始末とかで、そのお洋服の‘厚み’というか’存在感‘みたいなものが変わってくると思います。

デイリーウェアだからこそ、細かいところまでていねいに作りたいですね。

そういう気持ちは伝わっていると思う。BIOTOPで〈ペレック〉を買ってくださるお客様は「デイリーに着られるのに、いろいろ気がきいてるから好き」って言ってくださいますよ。女の人はやはり欲張りだから、定番なんだけどちょっと新鮮な気分がプラスされているものが好きだったりする。そういう方が〈ペレック〉を購入されますね。

うれしい!じつは藤井さんが展示会にいらしてくださって、買い付けてくださると聞いたとき、すごくうれしかったんです。BIOTOPって、ゆったりした空間でお買い物できて、ランチのサラダバーがおいしくて(笑)、もともと大好きなショップだったんです。服も、ハイブランドの横にヴィンテージがあったりしてミックス感ある提案がとってもリアルです。

ありがとうございます。BIOTOPはハイブランドやアップカミングなブランドといっしょに、デイリーウェアというゾーンが絶対必要。そのゾーニングをどうするかを考えたときに、女性の等身大な発想から生まれたものがふさわしいと思ったんです。いろいろなものを見てきたおしゃれな女性のライフスタイルから自然に生まれた服、それがすごく腑に落ちるんです。こんな服が着たい、と思って女性が作る服がいますごく気になるし、〈ペレック〉はまさにそういうブランドです。

ブレないように、これからもがんばって作っていきます!

写真上・くたっとした落ち感が着心地抜群のセットアップ。大きくVに開いた衿がリラックス感たっぷりのコージーV¥28,350と、腰のラインが立体的に設計されたコージーショーツ¥23,100(共にpelleq) 写真下・ペレック展示会にて、バイヤー藤井(右)は大野さんと間違えられた経験あり。似ていると噂の2人。

Photo / Ittoku Kawasaki Text / Ayumi Machida

pelleq

2011年 S/Sよりスタート。
日々肌に触れるデイリーウェアをセカンドスキン(第2の肌)と考え、
心地良さに女性ならではの感性を投影したラインナップで注目されている。

Interview with

藤井 かんな
(BIOTOPレディスバイヤー)

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