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BIOTOP PEOPLE

No.7 OLYMPIA LE-TAN

ブック型のユニークなクラッチバッグで火がつき、
いまやそのクリエーションはファッション全般に。
オランピア・ル・タンのイマジネーションあふれるコレクションは、
ワールド・スタンダードな「かわいい」がぎゅっと詰まったマジック。
世界のファッショニスタたちのガールズマインドをいつも刺激している。

オランピアが手に持っているブッククラッチは、すべてフランスでのハンドメイドで、彼女のラッキーナンバーである16個限定。

藤井(以下F)パリで発表された‘14春夏コレクションは、アクアリウムでのプレゼンテーションだったんですが、オランピアのコレクションは回を重ねるごとにエンターテインメント性がアップしていますね!今回も幻想的なロケーションとコレクションのマッチングが見事でした。そういったアイデアはどうやって生まれてくるんですか?

オランピア(以下O) ありがとう!でも実のところよくわからないわ(笑)。子供の頃から旅をしたり、本をいっぱい読んだりしているからかしら。あとはふだんの生活の中で見つけた、ちょっとしたことやモノを、スパイスとして取り入れることを実験的にやっています。それらは旅行しているときに見つけることもあるし、パリの街を歩いていて出合うこともある。日常の中でいろいろインスパイアされます。

F 今回のコレクションは「セイラー・ピンナップ・ガール」がテーマだけれど、セクシーなセーラーとかスパイシーなパイレーツとか、ただの「マリン」におさまらない豊富なイメージがあふれています。子供の頃に夢見たワンダーランドみたいな刺激があってワクワクする。オランピアの中に、少女の部分と毒の部分の両方があるところがすごく好き。子供の頃の経験は、やはりクリエーションに影響していますか?

O 子供の頃からかどうかわからないけれど、コレクションでいつも「グッドガール」と「バッドガール」を共存させるよう意識してる。ちょっといたずらっ子なキャラクターをプラスαで取り入れて。まあ私が子供の頃はそんなにいたずらっ子じゃなかったと思うけどね(笑)。

BIOTOPの2階で開催されているポップアップショップ。アクアリウムでおこなったプレゼンテーションのムービーも流れているので要チェック。

F オランピアのパパ、ピエール・ル・タンが描くイラストと、オランピアのクリエーションとのコラボレーションも一体感があって素敵。どういうやり取りの中で出来上がっていくんですか?

O 私はとにかく家族が大好き!いまだに家族で集まって食事したり会話したりするのが大好きなの。家族は私にとってとっても大きな存在。そのうえ父がアーティストでクリエーションの話もできて、本当にラッキーだと思う。父とはもちろんふつうの家族の会話もできるし、次のシーズンについてのミーティングで意見を聞くこともできるのがうれしい。また、いつもショーの最後に妹が登場するけれど、それも私がいかに家族を大事に思っているかということを演出で表現しているの。

初版の装丁を刺繍で表現。刺繍の技術は祖母から受け継いだものだという。

F ブッククラッチからスタートして、アイテムや表現もどんどん世界が広がって、次にオランピアはどうなっていくんだろう?っていつも気になります。演劇とかもできちゃうんじゃないかしら?

O マドレーヌにあるシアターでやってみたことがあるの。だからいつかオランピア・ル・タン演劇部を作るのも楽しそうね。演劇にもショーにも共通しているのは、何よりも自分が楽しむことが必要なところ。そうじゃないと言いたいことは伝わらないと思う。ふつうのキャットウォークには、私はあまり興味がない。

F オランピアのファンは、クリエーションだけじゃなくそのキャラクターにも惹かれているんだと思う。オランピアは友だちもすごく大事にしていますよね。

O 友だちはファミリーよ。ファミリーって血のつながりだけじゃないでしょう?

F そういうリレーションシップを大事にする気持ちがコレクションにも表れていて、ますますファンを惹きつけるのかも。オランピアみたいなブランドって他にあまりない気がして、本当に目が離せません。いまオランピアが一番興味あることは何ですか?

O たくさんあり過ぎてひとつ選ぶのは難しい…(笑)。でもしいて言うなら日本!小津安二郎や宮崎駿などの日本の映画、フード、建築、カルチャーすべてに興味が尽きない。東京もいいし地方もいい。北海道や群馬の自然は美しかったし、青森の温泉、大阪のお好み焼きもよかったわ。まだまだ行きたいところがたくさんある。

父ピエール・ル・タンのイラストをプリントしたフーディ。BIOTOPのみのリミテッドエディション。

F ところで、今回BIOTOPとのコラボで作ったフーディ・スウェット、すごくかわいい!パリで打ち合わせをしたとき、オランピアが出してくれたアイデアを見ていっぺんで気に入りました。スウェットでフーディっていうのが、すごく今の気分でうれしかった。パパのイラストのプリントも素敵。

O BIOTOPだけのリミテッドエディションだから、世界に10着しかないのよ!

F リミテッドエディションといえば、ブッククラッチはオランピアがデッサンしているの?

O いいえ、なんとこれらはすべて、初版の装丁なんです。たとえば今回はマリンだから、海をイメージした表紙を探した。それで三島由紀夫やヘミングウェイ、フィッツジェラルドなどの本を見つけたの。それらの絵をベースにデザインしています。ブッククラッチは、もう1000種類を越えたから、本棚ができそう!

F 1000冊!?いつか全部並んだオランピア・ライブラリーを見てみたい!

バイヤー藤井が着ているのはオランピア ル タンのTシャツ。オランピアは限定のフーディにボーダーのスカートをあわせてマリン気分たっぷり。

Photo / Ittoku Kawasaki Composition / Ayumi Machida

OLYMPIA LE-TAN

ロンドン生まれ、パリ育ち。シャネルやバルマンを経て、2009年アクセサリーブランド「オランピア ル タン」を設立。ハンドメイドのブック型クラッチバッグが大ブレイク。2012AWよりプレタポルテ・コレクションをスタートさせた。白金台のBIOTOP2階にて5月6日(火)までpop-up shopを開催中。

Interview with

藤井かんな
(BIOTOPレディスバイヤー)

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